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西湖より包頭まで 1 上海へ -01 揚子江口 中編
揚子江は世界有数の大河、崑崙山系の大高原に発して、
東に朝するまで3,102マイル、灌漑区域は約75万平方マイル、
9省の大部分にわたっているから、その放水量のはなはだ多く
6月の漢口にて毎秒100万立方フィート、
これに比例してその流下する土砂の量の驚くべきは、
現にこの船の通っている下にある大揚子砂堆の大きさでもしられる。
この砂堆は灰色の斑点のある細砂で、堆上の水深13尋ないし20尋である。
江口から約76度東に向い、江口の沙尾山島(茶山)を距る125マイルの処まで伸張している。
その幅は西部で約30マイル、東端で10マイルだというから
速力21マイルのこの船が6時間を駛る間に拡がっているのである。
ガッピー Dr. Guppy の漢口における観測によれば、
揚子江の海に注ぐ水量は毎秒平均77万立方フィートで、
浮遊物の江口に沈殿しまたは海に流出する物質の総量は
毎年約64億立方フィートだというのである。
これで江口のデルタは年と共に延長発達することが了解され、
海門県や崇明島や今の上海県のごとき陸地はすべて唐代以降の沖積地であるのも怪しむに足らぬ。
揚子岬の如きは蘆葦迅速に生長して、出水の際に揚子江の泥を把持するからその生長も特に早く、岬頭の泥は当方へ約2海里半も干上がる。
この岬と崇明島との間が所謂南水道46マイルであるが、
その間に砂がたまりお化け洲(神灘)Fairy platとて
干潮低水にて深さ16フィート、普通満潮時に28フィートという驚くべき浅瀬が成し、
広袤36マイルに達する。
ゆえに通過船舶は1日2回の漲潮を利用する外なく、
このことは上海港の将来に対する脅威である。
しかし船から見下ろせば何処もおなじチョコレート色で、
浪花如茶とでもいうべくとても想像がつかぬ。
江口の幅は70海里の広さだから河とは思えぬ。
遥か前方に一線青い草が見え崇明島かと思ったが、
船員は、崇明島はとても見えぬ、あれは家島だという。
これもなかなか大きな陸地である。
やがて東沙灯船を右にみる。いよいよ江口の浅瀬を通っているのだ。
ついでに南水道の中央水深4尋のところに碇泊している、九段灯船をみる。
この間4、50分もかかったであろう。
船呉淞に入る
~>゜)~<蛇足>~~
原文では「楊子江」になっていましたが、ここでは「揚子江」にしています。
~>゜)~<蛇足2>~~
マイル、フィート、海里、尋などなど...
ぴんと来ないので、後日、わかりやすいものに書き換える予定です。