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Pengzi de 雑記帳
中国に関する雑記、備忘や以前すんでいた北京・蘇州の思いでなどなど
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西湖より包頭まで 7  北京滞在 -01 中央公園

まず国際観光局に立ち寄って直隷山東視察の意向をのべて、汽車利用の方法を相談する。
日程をこさえてやろうといわれる。
辞して崇文飯店に入って中食をとる。
やがて崇文門上に登って城壁のから北京の大観をする。
森の都、瓦の都、なつかしい眺望である。

帰宿して順天時報社に行って松浦君を訪ねる。
元気で仕事をやっている。英国の西藏に於ける活動を研究しているとの事。
相共に車で中央公園に走る。
入園料十毛をとつて一般の苦力を制限して入れない。
從ってこの公園は京師縉紳の出入に限られ、老柏のしげった幽邃の趣が保有されている。

熱閙の市街の中にしてこの勝地があるのがうれしい。
木蔭の籐椅子に腰をかけ悠々茶を喫し、西瓜豆をかじる紳士の多いのを見る。

支那では公園というものは極めて静的なもので決して動的でない。
中央公園特にしかりで、午後5時以後は多くの北京の令嬢達がここにやってきて凉を納れるので、賑かでもあり美はしくもある。
社稷壇から通俗図書館を一巡し、懐来飯店の中庭に来てサイダーをとる。
子女の怜悧で、肌のきめの細いことなど談じていると、
白毫赤帽赤衣の軍楽隊が、列をなして奏楽してくる。
これはと見ると燦爛たる花馬車がこの店先につく。
花嫁が乗っているのだ。
見れば懐来楼上縉紳の集るすでに多い。二十歳前後の淑女も多くきている。
けだし花嫁の披露をやるのだ。
薄いベールをかけて盛装した美人が、馬車から出て楼に入ると、
あらゆる人間の視線は、王を迎うるか如くに輝いてくる。
遠来の孤客には大なる眼福とでもいうべきであろう。
松浦君は「およそかくのごときは近世支那新人の洋化せらる風習で、前代未聞のことだ」という。
よく見ると洋装の夫婦連れで、子供をつれて来ている若人が多い。
これも民国近来の現象であるとの事だ。
忠厚伝家を理想とした昔のつつましやかな時代は過ぎ去ったのかもしれぬ。


~>゜)~<蛇足>~~
 中央公園は、今の中山公園、
 かつての社稷壇(土地の神(社)と五穀の神(稷)を祀る場所)です。

~>゜)~<蛇足2>~~
 文中の古柏の写真は、百度百科の中山公園から


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