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Pengzi de 雑記帳
中国に関する雑記、備忘や以前すんでいた北京・蘇州の思いでなどなど
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西湖より包頭まで 2 江南の風物 -01 杭州へ 後編

 この水車の外に江南の野に目をひくものがも一つある。
それは墳墓である、
田と云わず畑と云わず村落に近づくと円い土の墳墓を見る、
中には松柏の緑のかげに祠堂があり、あるいは円墓の美はしきを並べた特定の墳墓もあるが、
普通は至る所の田圃に無暗に円墳を作るものらしい、
見れば木棺を地上に置き藁屋根をきせたに止まるものもあれば、
棺の周囲に子煉瓦を集め重ねたものもある、いづれにしても円墳でない粗末なことだ。

 重葬の国にこれは不思議と尋ねて見ると、
通訳の王氏は曰く長幼の序を失いて先立てるもの、あるいは風水により相令家の言に従い、
土葬し得ざるものの墓である 
しばらく土上に置くゆえにこれを権厝(ケンツウ)というと、
厝にして終に葬られず、半ば腐朽せるものもある。
他郷の人偶ま死して葬ること能わず、しばらく帰郷の期を待つ間殯することもある、
これは殯舎とて風をよけたる立派な建築物に鍵をかけた所で
屍体預所とでもいわるべき所であるがこれは田舎にはない、
したがって厝に逢うものは余程不運と諦めねばならぬ、
北支那では円墳の前に石碑のあるのが多いが、江南ではそれが少ない、
しかしそのもっとも丁重なるものは墳塋の堂々たる千金を費やして及ばざるものも少なくない、
硤石駅の小さい丘の上にあるものの如き尤も優れたるものの一つである。

 嘉興からさきは所々に古代の火成岩の山があって、土地も高いから水田は変じて桑圃となる、
我が国の刈桑のようなのは見当たぬが、高作りで其の葉の瑞々しき茂りを見ると、
さすが養蚕の本場に来たと思わしむる。
臨平駅に着く前にはじめて江南の大運河を横ぎる、
幅もせまく水も濁っているが、民船の輻輳は盛んなものだ。
ついで杭州城壁を見る艮山門は北にあり、東へ廻って城壁を破って清泰門内の停車場につく、
ここで下車いよいよ杭州見物に入る。




~>゜)~<蛇足>~~
かつて、初めて北京から離れたときに、
南に行けば行くほど、田畑や丘などに墓が増えてるのに驚いた記憶があります。

著者が田畑などにあるお墓について興味深く書いていますが、
かつて、東北本線の鈍行列車に乗り合わせた某国留学生にはやりお墓について聞かれました。
あちらこちらに見かけますがいったい何なのか、外国の方にはわかりませんよね。






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